椎間板ヘルニア治療についての考え方

ヘルニアの治療については様々な意見がありますが、

医療関係者の中においても、ヘルニアは手術が最も適さない傷病の1つであるという考え方が浸透してきているのではないでしょうか?

ヘルニアとは、椎間板の中にあるゼリー状の液(髄核)が漏れ出て脊髄神経を圧迫し、脊髄神経の支配領域である手足(腰椎椎間板ヘルニアは足)に神経痛が出ている病態を指します。

このゼリー状の液体(髄核)は数ヶ月で体内の免疫細胞であるマクロファージ(大食細胞)の働きによって消失します。

その為、手術をする必要性は無く、また、手術によって傷ついた筋肉、神経によって新たな痛みを作ってしまうリスクさえ生じるという考え方が浸透しつつあります。

では、数ヶ月経ってもヘルニアが改善されないケースは何が考えられるのでしょうか?

ヘルニアが消失しにくい場所にあるというのも原因の1つですが、

1つはヘルニアのストレスによって深部脊柱起立筋や梨状筋にトリガーポイントが発生し、脊髄神経または坐骨神経を圧迫していることが考えられます。

これについては、トリガーポイント治療で有名な石川県の加茂整形外科さんのホームページでも論じておられます。

私の臨床経験では、神経痛の原因はトリガーポイントだけでは無いというのが正直なところですが、トリガーポイント治療によって完治するケースも多くあり、神経痛の軽減はほとんどの患者さんで見られます。

ヘルニアが治らないもう1つの原因として、脊椎の椎間関節の不整合から椎間孔が狭窄し、脊髄神経を圧迫して神経痛を起こしていることが考えられます。

いわゆる背骨の歪みですね。

椎間板は脊椎と脊椎の間にあり、関節を構成するわけですから、椎間板ヘルニアによって関節の不整合(歪み)が起こることは当然といえます。

私の臨床経験でも、ヘルニアが消失したのに神経痛がとれない、またはヘルニアが神経痛の原因だと思っていた患者さんが、椎間関節の矯正で神経痛が完治したケースが数多くあります。

つらい神経痛の症状に、ワラにもすがる思いで手術を選択する患者さんもおられると思いますが、別の選択肢もあるという事を是非知っておいて下さい。

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